ニュースを見て知っている方も多いかと思いますが、1月15日午前5時半ごろ、埼玉県川口市のパチンコ店で火災が発生しました。営業時間外だったのでけが人はでなかったものの、鉄骨2階建の店舗を全焼し、近くの国道も一部通行止めになるなどしました。
パチンコ店で火災が起こる理由
今回の火災のように、店舗全焼ほどの大きな火災ともなればニュースになりますが、台が設置してある島から煙が上がるなど、火事になる一歩手前ぐらいのものは、ぼくも何度も経験しています。
火をほとんど使わないはずのパチンコ店でなぜ火災が起こるかというと…台が設置してある島の中(台の裏)は無数の配線や電源コンセント、トランスと呼ばれる変圧器、島設備のブレーカーなどが溢れ返っています。古い店舗で設備の変更や追加、改修を何度も繰り返している様なホールでは、もう何が何の配線なのか、どこに何が差さっているのか、ゴチャゴチャで分からないなんてことも普通にあります。なので電源が抜けかけていたり、アース線が繋がっていなかったりしても気付きません。
しかも、日々の業務の中でも、外から見えない島内の確認や清掃は疎かになりがちです。そのような危険な状態の島内に、ホコリが溜まったり、玉やメダルが落ちて貯まっていくことで漏電したり、ショートしたり、熱を持って煙が上がることがあるのです。
また、パチンコ店は喫煙者が多く集まるので、タバコの不始末などが原因の場合ももちろんありますが、ホールは床から壁まで全て燃えにくいもので作られているので、そのリスクは低いでしょう。きちんと消防署の検査なども受けています。しかし、従業員休憩室や事務所などは書類等の燃えやすいものも多くあり、一般的な民家と同じ作りになっている場合もあります。今回川口市で起きた火災は営業時間外ということでバックヤードに何らかの原因があったのかもしれません。
災害や停電時の出玉保証
法律上、玉やメダルは貸出しているだけで所有権は店側にあるので補償する義務はありません。また「天災時、災害時の出玉保証はいたしかねます」というような注意書きは大抵のホールに掲示されています。目立たなくてもどこかにはあるはずです。
しかし、泣き寝入りかと言われればそうではない可能性もあります。出玉の補償をするかどうかは完全にそのホールと運営企業の考え方次第です。
ぼくは自分のホールでこのようなケースで出玉保証を求められたことはありませんが、東日本大震災の際は、後日補償を行ったケースもあると聞いています。ただ、大地震などでは出玉が散乱して、誰の出玉なのか分からなくなることも考えられるので、正確な玉数を把握することは困難だったと思われます。停電もしていたらホールコンで出玉を確認することもできないし、どのような補償対応をしたのかは不明ですが、良心的なホールであれば全額でなくとも補償してもらえる可能性はあります。しかし、店側もお客さんからの自己申告の玉数を全て保障する訳にもいかないと思うので、自分自身でなるべく正確な大当り履歴と持ち玉を把握していれば交渉材料にはなるかもしれませんね。