先日、警察がパチンコ店の許認可申請を放置したというニュースがありましたが、頻繁に所轄とやり取りをしているホール関係者からすれば…少なくともぼくは、さほど驚くことではないような気がしました。
パチンコ店などの許認可処理怠る、巡査長処分
産経WESTなどによると、飲食店とパチンコ店が提出した許認可関連の届け出11件の処理を怠ったとして、滋賀県警の30代の男性巡査長が所属長注意の処分を受けていたことが7月19日、同県警への取材で分かった。6月28日付。
県警によると、巡査長は2016年4月~2017年3月、署の生活安全課に勤務している際、飲食店が深夜に酒類提供できる届け出書類と、パチンコ店の管理者変更の届け出書類11件を放置していた。巡査長は「手続きの知識がなく、上司に相談すれば叱られると思い放置した」と話しているという。
なお、県警は「いずれも店の営業に影響はなかった」と説明している。
引用元:グリーンベルト
許認可処理をしなくても大丈夫なのか
パチンコ店が所轄に申請する書類は大きく分けて「変更承認」と「変更届」の2種類がります。
変更承認
営業所の構造及び設備の変更
→書類申請後、所轄担当官による検査が必要
例)遊技台の入替、遊技機の性能に関係する部品交換、設置台数の増台など
変更届
軽微な変更
→書類提出をもって申請完了、検査無し
例)ガラスやゴト対策部品など遊技機の性能に関係しない部品交換、照明や音響設備の入替など
今回のニュースは「いずれも店の営業に影響はなかった」という内容ですが、「変更承認」の場合は、台を稼働停止にして検査を受けるので、担当官が検査に来なければおかしいことに気付きますし、新台や故障台が開放できない状態が続くので営業に支障が出ます。
一方、「変更届」の場合は、ホール側としては提出して終了なので、その後に署内での処理がされているかどうかは関係なく営業を続けられます。
ニュース内にある「パチンコ店の管理者変更の届け出」は通常の「変更届」とは少し違いますが、処理される手順は同じです。
なので、今回処理を怠ったとされるのは、全て「変更届」で済む案件だったということですね。
少し話はそれますが、「変更承認」に該当する案件で、正式な申請をしないと、「未承認変更」となり、営業停止になる場合もあります。
台が故障した際に撤去済みの台から部品をとって交換したりすることは出来ませんし、そもそも予備の部品を在庫として持つことは出来ません。小さな部品ひとつでも、その都度メーカーに発注して、所轄に申請が必要です。人気のある台が故障して、稼動停止にしたくないので安易に部品を交換したり、申請を怠ったりすると大きな代償を払うことになります。
【参考記事】
ART中に台が故障したらどうすればいいのか パチンコホール営業停止のリスク
実際に知識不足な所轄担当官もいる
営業中に警察検査を行う地域では、ホールの役職者と担当官が何やら書類を見ながら台を開けたりしているのを目にしたことがあるでしょう。あれは「変更承認」を申請した台の検査をしています。検査と言っても、ほとんどの場合は目視するだけで終了ですがww
実際にパチンコ店を管轄している所轄の生活安全課や実際に検査に来る担当官が、パチンコに精通し知識が豊富とも限りません。一般的なプレイヤーと同じレベルか、パチンコを打たない方ならそれ以下です。
ただのお役所仕事で、「とりあえず見に来ました」みたいな検査をする方も多いのでww
釘調整が当たり前に行われ、それが長らく放置されてきたのも釘に関する知識がなかったからと考えられます。以前、群馬県警では職員に角度ゲージを支給し、釘講習を行ったりもしていたので、自覚はしているようです。最近では少しは気にして検査時に釘を見たりもしているようですが、その点に関してホール側はプロですので、ちょっと講習を受けたぐらいでは釘を見る目は養われないと思いますが…。
ぼくも検査に立ち会っていて「厳密に言えばこれもアウトだけど、気付かれなくてよかった」と後になって思うことはたくさんありますし、どんなにコンプライアンス重視のホールでも、何かしらツッコもうと思えばツッコめりことは必ずあります。
なので、所轄担当官は知識があまりないくらいの方が、ホール側としては正直言って営業しやすいですww
所轄担当官がホール店長並みのパチンコ規制や釘知識を身に付けて、本気で取り締まられたら、ほとんどのホールが何かしらの処分対象になってしまいます。
今回のニュースのように「上司に相談しなかった」というのは仕事上の人間関係の問題かもしれませんが、「手続きの知識がない」という部分はめずらしいことでないような気がしますねww